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 開けっ放しになった窓から初夏の風が忍び込み、カーテンのレースを揺らす。
 火をつけたばかりの煙草をくわえたまま、僕はそこから外を眺めた。もうすぐ今日が終わる。街の喧騒も遠い。ふと、このまま自分はどこへ流れ着くのか考えた。社会に流され人に流され、時間に手をとられて連れて行かれる先にはどんな未来かあるのだろう。
 願わくば、そこに君がいるように。叶うなら、行き着く先が君と同じ場所でありますように。そっと祈って僕は今日も眠りにつく。