い つ か

 協会の扉が開き、新郎新婦が肩を並べて姿を現した。
 拍手喝采が沸き起こる。
「綺麗だね」
 私は隣りに立つ雄太に耳打ちした。
「まったく。佐上さんにはもったいない奥さんだ」
 雄太は言った。
「職場の同僚として思いっきり米をなげてやる」
ライスシャワーでしょう」
 階段をゆっくり下りてくる二人を眺めながら、いいなあ、と私が呟く。
「来年はあそこ歩く?」
 雄太の一言に驚いて振り返る。彼はいたずらな笑みを浮かべながら言った
「結婚しよう」