Milk

 なんだってこんなにむしゃくしゃするのか分からない。
 人が聞けばきっと、思春期にありがちなことだと笑うだろう。気がつくと僕はチャリンコをとばして、こんなところまできてしまっていた。親父の……前の親父の、そして僕の本当の父の自宅へ。父は僕を見るなり部屋へ招き入れた。
「待ってろ、今ミルクをいれてやる」
 いつまでも子供扱いしやがって。そう呟きながら、僕はほっとする。