まばたきの永遠 解説

この物語は、約五週間で書き上げた。普段なら半年から一年かかってダラダラ書くのだが、今作に限りどういうわけか筆が進んだ。当時、よしもとばななにはまっていた自分は彼女の作品を浴びるように読んだ。活字を浴びるというのはおかしな言い回しだが、とにかくそれくらい熱中して読んだ、ということだ。中でも「アムリタ」「NP」「つぐみ」「哀しい予感」は何度も読んだ。実を言うと、今作「まばたきの永遠」は「アムリタ」の影響が大きい。どこらへんに影響を?と訊かれても返答に困るが、とにかく大きいものは大きい。断固として大きい。絶対になにが何でも大きい。作者はそう思っている。加えていうと、槙原さんの音楽からも影響を受けている。どの曲かはここでは書かないが、ある曲からこの物語は出来ている。この物語は回想だ。紬がプラットホームに立つところから始まり、やがて始発の電車に乗ってあるべきところへ帰っていく所で幕を下ろす。また、それと同時にこの「まばたきの永遠」こそが、作中で紋太が書きたいといっていた夏の物語であることはいうまでもない。とにかくこの作品を最後まで読んでくれた皆さんにお礼を「ありがとうございました」。話は変わりますが、メルマガも好調でもうすぐ読者が400人になる。嬉しいな。嬉しいな。